上司のパワハラに負けそうなあなたへ。『プラダを着た悪魔』(2006年)

こんにちは、シュンちゃん(@vani_1103)です。

今回は、映画『プラダを着た悪魔』の感想です。

引用:Yahoo!映画

製作年:2006年

製作国:アメリカ

ジャンル:コメディ/ドラマ/ロマンス

上映時間:110分

視聴環境:Amazonプライムビデオの吹替版

字幕版吹替版(外部サイト)

『プラダを着た悪魔』の感想:満足度100%

観たいと思ったのはこのTweetから

本作を観ようと思ったきっかけは、こちらのTweetがきっかけでした。

アカデミー賞の舞台で、今や大物女優である3人が即興芝居をするという驚きと仲の良さにとても感動してしまいました。

印象的なのは、即興芝居に入ったメリル・ストリープさんが笑顔から一転鬼の形相で2人を睨みつけ続けたこと。

この瞬間に、『プラダを着た悪魔』は面白いだろうと思って観ることにしたのです。

 

冒頭で1番驚いたのは、「あのアン・ハサウェイさんが、こんなにもファッションに無頓着な主人公アンドレアを演じているなんて!」ということです。

今やアン・ハサウェイさんは「女性の憧れる女性」の代表の一人と言われる方ですので、この設定自体がもうすでに面白いなぁと思いました。

ぼくは高校生や大学生の頃はちょっぴりファッションに目覚めたことがありました。

挫折しました。

やっぱり、お金がないとファッションになんて興味が向かないのです。

昔は「シュンちゃんは母子家庭なのに、よく不良にならなかったね」などとポジティブな意味で声をかけてくれるお年寄りがいらっしゃいました。

そんなときは、「不良になれるくらいお金があったらどっかの総長にでもなってるかもねぇ」と思っていました。

横道それました。

そんなアンディが、ジャーナリストになるまでの足掛けとして就職したのが「ランウェイ」という一流ファッション雑誌のトップ・ミランダのアシスタント。

どう考えてもアンディがイキイキと活躍できるような職場ではありません。

この物語、どうなっていくのでしょう。

 

元々のアンディが素敵だと感じるぼくは新聞部副部長

物語の中で、アンディが風貌がどんどん変化していきます。

ハイブランドのファッションが好きな女性はそういった面からも本作を楽しむことができそうです。

作中、アンディが服のサイズを告白するシーンがあります。

「私は…6なの」。

このシーンを含めて、服のサイズを2、4、6などの数字で表していることがあります。

こちらは、USサイズでの言い方なのですね。

日本のサイズに直してみるとこうなります。

(US/JP)
   0/XS
   2/S
   4/M~L
   6/L~LL
   8/XL

ハイブランドのトップアシスタントがサイズ6だと、それだけで鼻で笑われるか存在を無視されるという恐ろしい業界。

ぼくは、サイズ6でも健康的であればとてもプニプニしていて気持ちいいし、癒されるのでとても良いと思うのです。

しかも、アンディは大学新聞の編集長として活躍。

ぼくは高校時代に新聞部の副部長だったので、アンディはそれだけでぼくにとってのプリンセスになってしまうお方。

アンディ自身も、ファッションにこだわらない世界では何も困ることなくやってこれたのではないかと思います。

そんなアンディが、自分の能力を評価されることなく、外見だけで下に見られる屈辱。

「外見だけで評価されるだけの業界に私の居場所はない!」とTweetで愚痴って、早々に辞めるという選択もあったでしょうが、アンディの選択とは…。

 

「辞めなよ、辞めていいんだよ」と言ってくれる作品

最近、パワハラについて多くの方が声を上げることにより、環境が少しずつ変化してきた職場も出てきたようです。

ただし、トップの力のある人間のパワーによってその会社が動いているようなところでは、パワハラなど当たり前、逆に働かせてやっているんだぞと言われるようなこともあるんだろうと思います。

本作では、そのときの選択肢としてぼくたちが選ぶことができる現実的な案をきちんと示しています。

「辞めることだよ」。

この明快な答えを提示していることに素晴らしいなと感じました。

ぼくは双極性障害という病気になり、仕事を休職し、最後は辞めました。

休職のきっかけとなったのは、校長との確執。

同じ専門教科であったので以前から面識があった校長とは、ぼくが教員採用試験に合格する前の講師時代から、授業に関する考え方などはじめ、いろんな場面でぶつかっていました。

そして、教諭となってまた一緒の学校に勤めることになったときに、「ぼくの言うことはすべて否定」「相談など聞こうともしない」「明らかに多い仕事を割り振られる」など、「学校の核となる中堅教員の育成」という聞こえの良い言葉とともに、いろんなことを受けました。

本作のように、「これは完全にパワハラですよ」と分かれば決断は簡単になるのかもしれません。

現実は、「あなたのために厳しく指導しているのですよ」ということで、一人悩み、苦しみ、心を病んでいくのです。

こういったテーマを取り扱う以上、「辞めなよ」という答えをきっちり描いてくれているというのは、嬉しかったです。

しかし、アンディは決意しました。

「とことんやってやろうじゃねぇか!」

 

支持通りできることが一人前じゃない

今まで勉強しようともしなかったファッションやアシスタントの業務に、自分のすべてを懸けて取り組み始めたアンディ。

しかし、ある出来事でミランダのプライベートを覗いてしまったことで、パワハラより苛烈になってしまいました。

注目ポイントはそのミランダの過酷な要求に対して、ウルトラCともいえる方法で切り返し、しかもしかも、彼女の要求よりも高い水準まで高めて返したところ。

今ぼくは、大学医学部の精神看護学科の教授の秘書をさせていただくアルバイトをしています。

そこでは、週1で3時間、教授のパソコン関係を中心にした雑用を代わって行っています。

今まで教員をしていたので、中心となるのは自分のための仕事でした。

今は、教授の指示によって動く秘書として、彼女の要求に応えていかなければいけないと思っていたのです。

しかし本作を観て、要求通りできないのは未熟、要求通りにできて当たり前、要求以上の水準で応えるのが一流、ということを改めて認識することができました。

 

仕事ができるようになる半面家庭が…

仕事をどんどん覚えてミランダの期待に応えるようになったアンディ。

しかし、そこから仕事とプライベートのバランスが壊れていきます。

「私生活がままならくなったら、仕事を覚え始めたとき。
 家庭が崩壊したら、昇進のチャンス!」

というセリフが印象に残っています。

本作においても、仕事とプライベートのバランスをどう保つのかがテーマとなっています。

すべての人間に24時間が平等である限り、仕事とプライベートを自分の思い通りに成功させることなど無理なのかもしれません。

ミランダは自分のすべてを仕事に捧げてきた人。

おそらくこれからもそうあり続けるでしょう。

さて、大学時代からの恋人ネイトと上手くいかなくなってしまったアンディは、どんな生き方をしようとするのでしょう。

 

ある意味とても健全な職場でもある「RUNWEY」

本作を観ていて、とても素晴らしいなと思ったこと。

「最悪なミランダ以外を見渡すと、同僚同士の足の引っ張り合いがほとんどない!」

アンディが無頓着な服装で会社に来ていたころには、「この子何?」「スカートダサい選手権にでも出るの?」など、散々な言われ方をしていました。

それ以降、物語の中にはドロドロした足の引っ張り合いのようなものがなくてとても気持ちが良かったのです。

女性たちの物語だと考えていたので、そういったものも大きく取り上げるのかなと思っていたのもあると思います。

でも、それがなくてとても爽やかな作品だったなぁと感じました。

「やられたらやり返す、倍返しだ!」というセリフが有名になった日本のTVドラマ『半沢直樹』のような展開もあるのだろうと思います。

でも、ぼくは本作のような展開が素敵だなと思いました。

「俺は戦闘民族だから!」と公言し、Twitterでうんこの投げ合いを本気になってやって「俺の勝ち!」と宣言するのにまったく価値はないなぁ。

そんなことを感じました。

 

最後に

ミランダは、娘が満足するような母であったり、家庭を作ることはできなかった。

彼女は人生を彼女の決断で生きていくという、誰もが憧れる生き方をしていきてこれたし、これからも生きていく。

アンディはどうする?

アンディは、ミランダからすべてを学んだ。

これからも学び続けたいという気持ちもあった。

アンディはミランダの元を去った。

それは、ミランダと同じように「自分のために生きることを決断した」から。

小さな出版会社に面接に行ったアンディ。

面接官は、1年未満で退職した「RUNWAY」に、どんな人物か紹介しました。

「彼女は、(RUNWAYを辞め私の元から去って)私を大いに失望させた。
 (彼女の能力を見極められず)彼女を採用しないなら、その会社は大バカだ」

ミランダが唯一認めたアシスタント・アンディ。

アンディも、ミランダもこれから進んでいく人生の道はどちらも光り輝いているとぼくは思います。

ラストシーンのミランダの笑顔が最高でした。

『プラダを着た悪魔』の作品情報

あらすじ

こんな最高の職場なら、死んでもいい!

こんな最悪の上司の下で、死にたくない!

恋に仕事にがんばるあなたの物語。

ローレン・ワイズバーガーの同名ベストセラー小説をアン・ハサウェイとメリル・ストリープの共演で映画化したおしゃれなコメディ・ドラマ。ひょんなことから一流ファッション誌で働くことになったヒロインが、鬼のような上司に振り回されながらも恋に仕事に奮闘する姿をユーモラスかつ等身大で描き出す。

大学を卒業し、ジャーナリストを目指してニューヨークへとやって来たアンディ(アン・ハサウェイ)が就いた職業は、一流ファッション誌“RUNWAY”の編集長ミランダ・プリーストリー(メリル・ストリープ)のアシスタント。オシャレにとことん疎い彼女は、それが次へのステップになればという程度に考えていた。だから、ミランダが何者かもまるで分かっていなかった。彼女こそは、その絶大な影響力に誰もが恐れおののくファッション界のカリスマだった。朝も夜もなく四六時中浴びせられるミランダの理不尽な命令に、いつしかアンディの私生活はめちゃくちゃに。恋人ネイト(エイドリアン・グレニアー)ともすれ違いが続いてしまう。こうして、早くもくじけそうになるアンディだったが…。

allcinema(外部サイト)

予告編

キャスト

メリル・ストリープ / ミランダ・プリーストリー

アン・ハサウェイ / アンドレア・サックス

エミリー・ブラント / エミリー

スタンリー・トゥッチ / ナイジェル

エイドリアン・グレニアー / ネイト

トレイシー・トムズ / リリー

サイモン・ベイカー / クリスチャン・トンプソン

リッチ・ソマー / ダグ

ダニエル・サンジャタ / ジェームズ・ホルト

デヴィッド・マーシャル・グラント

ステファニー・ショスタク / ジャクリーヌ・フォレ

スタッフ

デヴィッド・フランケル / 監督

ロレン・ワズバーガー『プラダを着た悪魔』(早川書房) / 原作